ローカルで有効な手法でグローバルな売上アップを実現
 
クリス・ハッチンスの写真投稿者:クリス・ハッチンス
2016年2月26日

ローカルで有効な手法でグローバルな売上アップを実現

地域市場で使われることの多い支払いオプションを無視すると、グローバル市場での売上損失につながりかねません。この独自レポートではその理由を探り、オンライン決済のトレンドをいくつかご紹介します。

 

米国企業が E コマースの取り組みをグローバル市場へとますます拡大するなか、多くの企業は海外の消費者が米国と同じ決済プラットフォームを使わないことを知って驚きます。

しかも悪いことに、このような企業は早々に、地域市場で使われることの多い決済オプションを提供しなければグローバルサイトを訪れる顧客が減り、トラフィックやエンゲージメント、転換率、収益が予測を遥かに下回る結果になることを身をもって体験します。ブランドのオンライン戦略が、企業の意思決定者が地域市場の決済オプションを無視することで、あっという間にダメになってしまうことがあります。

たとえば韓国では、グローバルブランド企業はほとんどの場合、想定した利益のたった 20% しか達成していません。その理由は、単に地域市場で使われている決済タイプに対応しなかったというだけです。

グローバル グロース チームのディレクターであるブラス・ギフュイニはこう語ります。「オンライン業者のウェブサイトは、市場で好まれる言語に対応するだけでは足りません。ある文化でのデビットカードやクレジットカードに対する考え方を理解すべくコミュニケーションをとり、それに応える必要があります。そうすることで、地域のユーザーは自分たちの使う決済オプションにより一層の安心感を抱くのです。」

このような金融面の知識から、新しい市場におけるとても貴重な洞察が得られます。たとえば、決済オプションを直接の銀行取引(PayPal、オランダの iDeal、ドイツの Giropay など)とリンクすることで、平均注文金額は通常低くなりますが、一般的なクレジットカードと比較してより頻繁に使用されます。

注文数が増えれば、平均注文金額 (AOV) が増えるよりも必ず良い結果となります。オランダのあるお客様のケースでは、iDeal プラットフォームの方が、MasterCard と Visa を組み合わせた場合よりも 377% 高い売上を記録しました。

すべての国や市場には、それぞれが好む決済方法があります。しかし、第三者による調査と、MotionPoint 独自の 15 年にわたるデータやグローバル E コマースサイトを運営してきた経験を組み合わせれば、おおまかではありますが貴重なグローバル決済の傾向に対する洞察が得られます。

また、いくつかのヨーロッパ市場の傾向についても簡単にご説明します。

全般的なオンライン決済のトレンド

クレジットカードが多くのグローバル市場で広く普及していることに疑いの余地はありません。当面は一般的な決算手段として利用され続けることでしょう。しかし、事業拡大を続けるほとんどの企業がオンラインでの参入を望んでいる主な先進国市場、特に新興市場の場合には当てはまりません。Adyen のグローバル E コマース決済ガイドにある調査結果を考慮してください:

  • 中国の消費者で、海外で使用可能なクレジットカードによる決済はわずか 1%
  • ブラジルでは、海外で使用可能なクレジットカードはほんの 30%
  • ドイツ人の 75% がオンラインショッピングではクレジットカードを使わないことを希望

これらの市場だけでなく他の市場でも、E ウォレットなど別の決済方法を使用する傾向にあります。Worldpay のグローバル決済報告書によると、2019年には E ウォレットの利用がクレジットカードを上回ります。多くの点において、これらのプラットフォームはより現代的で、その便利さ(カードの詳細を何度も入力する必要なし)、強化されたセキュリティ、そしてオムニチャネル小売業界での普及率の増加(消費者がアプリ、オンラインや店頭から E ウォレットで支払うことが可能)により、世界の顧客に一層効果的に対応しています。

その地域の E ウォレットプラットフォームを E コマースサービスに組み込んだ小売業者は通常、即座に売上を伸ばしています。弊社のあるお客様が、決済オプションとして E ウォレットプラットフォームの Alipay を中国語サイトで提供したところ、転換率があっという間に 217% 上昇しました。取引 1 回当たりの購入アイテム数は約 3 割増加しました。収益の伸びは 210% を記録しました。リピーターも劇的に急増したのです。

プリペイド E バウチャーも人気が高まっており注意が必要です。これらのデジタルバウチャー(実際の端末またはウェブサイトから発行可能)は、消費者のプリペイドカードや小売業者のオンラインアカウントに振り込むことができます。

実際、クレジット主流の経済における「クレジット黄金時代の終焉」は、グローバル決済報告書に示されています。世界中の消費者が自身の財務状況をより細かく管理しようと努めており、これはデビットカード決済とプリペイド決済の増加に現れています。同報告書には次のような記載があります。「消費者はもはや債務を負うことを望んでいない。クレジットの有害な影響に十分に気づいており、購入傾向もそれに伴って変化している。」

2019年までには、プリペイド決済オプションがグローバル決済において少なくとも 7% の割合を占めることが予測されています。

ここ数年、インドやインドネシア、ロシアといった新興市場の消費者の間では、決済オプションとして代金引換が広く利用されています。これらの市場でデジタル決済に対する消費者の信頼が高まるまでは、小売業者は現実的な決済オプションとして代金引換を検討し、そして提供する必要があるでしょう。

ブラスの説明によると、プライバシーも多くの市場において非常に重要な問題です。「ヨーロッパ、特に北欧の消費者は、共有する個人情報や代金の取引および両替をより自由に管理できることを望んでいます。」とブラスは述べています。

こうした行動は、iDeal、Giropay、スウェーデンの Klarna といった E ウォレットのプラットフォームをはじめとする特定の決済オプションにおいて、イノベーションを生み出してきました。プライバシーに配慮したこれらの決済方法を利用することで、小売業者は従来の現地通貨決済オプション(請求書を使用した支払いなど)よりもリスクやコストを低く抑えることができ、また消費者はシンプルかつ安全なユーザーインターフェースを使用することができます。

注目のマーケット:フランス

一般的な傾向から特定の市場へと視点を移し、MotionPoint は先ごろ、あるファッション小売企業のフランス語版 E コマースサイトで行なわれた約 29,000 件の取引を調査しました。弊社の分析によると、フランスでは引き続きクレジットカードが代表的な決済方法として利用されています。しかし、このことから分かるのは全体のほんの一部でしかありません。

数十年前から普及していた有名な Carte Bleue サービスが2010年より段階的に廃止され、Visa Classic デビットへと移行したこともあり、フランス市場では Visa が最も多く利用されています。しかし、他の従来のクレジットカード(MasterCard、Maestro、American Express)を見ると、PayPal がこれらを上回っています。

平均注文金額を比較すると、MasterCard による取引は PayPal による取引よりも €3 多くなっています。

「ただし、E ウォレットのプラットフォームを利用する消費者が増えているため、このサイトでは PayPal の方がより多くの収益を生み出しています。」とブラスは説明しています。

注目のマーケット:ドイツ

ブラスは次のように述べています。「ドイツの人々はセキュリティ意識が非常に高く、他のヨーロッパ諸国の消費者よりも E コマースサイトに対する信頼が低いのが特徴です。このためドイツでは、E コマースの決済においてクレジットカードよりも銀行振込や代金引換を選ぶ消費者が圧倒的に多いのです。」

このことは、ドイツではクレジットカード普及率が低いという弊社の調査結果とも一致します。あるファッションブランドのドイツ語版サイトで行なわれた約 17,500 件の取引を追跡したところ、全体の 70% が PayPal のプラットフォームを利用したものでした。

平均注文金額を見ると、フランスと同様に、ドイツでの PayPal による取引はクレジットカードによる取引を下回りました。ところが、PayPal による取引件数は、他の決済オプションを大幅に上回っています。

「それでも弊社の分析によると、銀行振込や、Giropay、Klarna のように消費者が支払いをより自由にコントロールできる決済オプションを選ぶ消費者がドイツでも増えています。」とブラスは述べています。

注目のマーケット:オランダ

弊社では最近、あるファッション小売企業のオランダ向け E コマースサイトでも約 10,000 件の取引を調査しました。この市場では、E ウォレットプラットフォームの一人勝ちという明確な結果が得られました。驚くことに、全オンライン取引の 85% が iDeal および PayPal によるものでした。

これらの最も広く利用されている決済方法のうち、比率が高かったのは全体の約 70% を占めた iDeal でした。弊社のサンプルで次に多く利用された決済方法は、MasterCard をわずかに上回った PayPal でした。

ブラスは次のように説明しています。「このことからも、クレジットカードの普及率が低い市場では別の決済オプションが多く利用される傾向が見て取れます。これらのプラットフォームには、消費者が資金の配分をより柔軟にコントロールできるという明らかなメリットがあります。」

注目のマーケット:米国

弊社によるこちらの記事にあるように、米国のヒスパニック系住民をターゲットとした米国の小売業者において、他のスペイン語圏市場からのトラフィックや取引が急増しています。実際に、ラテンアメリカの消費者による取引が全体の 40% から 60% を占めることも珍しくはありません。

ブラスはこう語ります。「サイトが自国への配送に対応していない場合でも、海外のユーザーは、本当にほしいものを手に入れるためならクリエイティブな方法を考え出すものです。最も一般的な方法のひとつに、自国からオンラインで購入し、米国在住の友人や家族に届いた商品を預かってもらったり、友達に託して自分のところまで持ってきてもらうというものがあります。非公式版の貨物輸送と言ったところでしょうか。」

MotionPoint では、このような世界中の消費者に適応した結果、売上や収益を伸ばしたお客様を見てきました。こういった適応に際して、米国ではあまり人気のない決済オプションを受け入れなければならない場合があります。たとえば、1960年代における米国の時代精神の一部だったダイナースクラブ・インターナショナルも、米国では今やその影を潜めているものの、エクアドルやコロンビアなどラテンアメリカの国々では未だに人気があるのです。

また、米国ヒスパニック系市場は活発であり、特にボーナス特典プログラムの絶好のターゲットであるとブラスは述べています。これは、ある米国家電量販店のスペイン語 E コマースサイト上における 17,000 件の取引を分析した弊社の最近の調査で分かったことです。

「米国ヒスパニック系消費者は、自分たちを対象にマーケティングを行なうブランドに対して非常に忠実である傾向があります。」とブラスは指摘します。「これは、ブランド提携のクレジットカードやブランドの特典プログラムを介して行なわれる取引の 9% の増加にも見てとることができます。」

 

Chris Hutchins

マーケティング コミュニケーション スペシャリスト

Chris Hutchins helps produce MotionPoint's marketing and sales materials.

 

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